PEKINDEM

2008.10.07:フリータウン

2008.10.07:フリータウン

10月7日(火)。

いつもより涼しい。普段は暑くて目が覚めるのだが、今日は気持ちよくて9時頃まで寝てしまった。

コーヒーを飲んで、そのあとシャワーを浴びたかったが水道は今日も止まっていた。ついでに電気もだ。

電気は頻繁に通ったり停まったりするのだが、水道はあまり通っているときに遭ったことがない。

ここにきてから、シャワーから水が出てるのを見たのは2回くらいだ。なので、普段は溜めてある水を使って身体を洗う。

ちなみにお湯は出ない。暑いんだから問題ないじゃないかと思うかも知れないが、水はどこで浴びても冷たいのだ。心臓がびっくりする。

数日前から、英語とクリオをごちゃ混ぜに話している自分に気付く。ここの人たちの話し方がそうなので、僕も自然に染まってきているようだ。

今日の午前はアルフレッドたちは学校だし、普段何かとドアをノックして頻繁に声を掛けてくるロイスも買い物に出掛けていないので、一人の時間を過ごすことができた。

こういう時間はここへ来てから初めてだ。ロイスは僕を客として扱い、何かと気を掛けてくれるが、僕の性格上、それがちょっと疲れるところでもある。

シエラレオネでは家族の繋がりがとても強いように思う。家にいるときは、四六時中家族と一緒に過ごす。対して日本では、一人の時間も大事にする(と思う)。

どちらが正しいというわけじゃないけど、僕は一人で過ごす時間も必要だと思う。

俺がたまにひとりでいることに、ロイスは不満そうだ。だから頻繁に声を掛けてくるわけだが、ぼくはそこで無理する気はない。

これは文化の違いとかそういう以前に、性格の問題だ。いくらお世話になっているからって、そこを無理して合わせるのは人との付き合い方として違うと思う。

僕が彼らと自分の違いを受け入れるのと同じように、彼らも僕と彼らの違いを受け入れなければならない。

その点では、アルフレッドとの関係はとてもスムーズだ。まだ若いから頭が柔軟なのかと思ったが、同じ年頃のドカスはそうでもないので多分性格的なものだろう。

騒々しく部屋のドアを叩くこともないし、話し始めるときも「今は忙しくない?」と聞いてから話し始める。こんな言い方は偉そうかも知れないが、気遣いのできるとてもいい子なのだ。(ドカスはドカスでまたいい子だが)

そして頭もいい。俺が貸したボイスレコーダーの使い方も一瞬で覚えてしまった。驚いて「使い方知ってたの?」と聞くと「こんなのはじめて見たよ」と言っていた。

そのアルフレッドと、今日は昼過ぎからビーチまでサッカーをしに行く予定だ。約束が2日延びてしまった形なので、今日こそは約束を果たしたい。

午後2時過ぎ、アルフレッドが学校から帰ってきたので「今日行くでしょ?」と聞くと元気よく「うん!」と答える。

そのあと、アルフレッドの兄のモハメッドの帰りを待ち、3人で「よし、今日こそは!」と準備をして出掛けようとすると、雨。それも豪雨だ。「なかなかサッカーやれないね・・・」と3人で大人しくダイニングで話していた。

アルフレッドとモハメッドは、いろいろと日本のことを聞きたがった。「雨は日本語でなんて言う?」「海は?」「家族は?」「近所の人は?(この質問にはなんて答えようか困った)」「タケシの兄弟の名前は何?」「お父さんとお母さんの名前は?」「そのカメラは日本製?」「日本にもマンゴーはあるの?」「日本は雪降る?」・・・など。

質問に答えていると、いつの間にかプリセッツァも混ざっていて、「いつかタケシの兄弟に会いたいなぁ」と言っていた。

いつかこの子たちを日本に招待できたら、喜んでもらえるかもしれない。アルフレッドたちには、できれば日本だけでなく、いろんな国のいろんなものを見て吸収しながら、大人になっていってほしいと思った。

僕のような若造が言うことじゃないが、彼らはまだまだいろんな可能性を秘めている。だからこそ、今後いい人間にも悪い人間にもなり得ると思う。

シャノーさんやフォデイ、ゾラのようになる可能性もあれば、先週行ったコミュニティにいたような、平気で子供から金を巻き上げるような悪い大人になる可能性だってあるんだ。

どうかこの子たちが、このままの性格で成長してくれますようにと願わずにいられなかった。