PEKINDEM

2008.10.06:フリータウン

2008.10.06:フリータウン

10月6日(月)。

嘘のように身体が軽い。マラリアじゃなかったようだ。どうやら慣れない環境で疲れが溜まっていたっぽいね。

ということでアホのように寝て完全復活。リビングで会ったドカス(アルフレッドのすぐ下の妹)に爽やか過ぎるくらいに爽やかに朝の挨拶をした。ちょっと引いてた。

コーヒーを飲んでいると、ロイスとアントワネットが来て「薬あるけど飲む?」と聞かれたが、これも爽やかに断った。なんか笑われた。それにしても心配を掛けてしまったようだ。申し訳ない。

午前中にシャノーさんが迎えに来てくれた。「体調どう?」と聞かれて、「大丈夫。教科書ちょっと待ってね」と答える。

今日は再びローケル・キャンパスへ見学に行く予定だったが、シャノーさんが大事をとって休みにしてくれた。アルフレッドとの約束もあったので正直都合がよかった。

そのあとビーチまでドライブに連れて行ってもらい、レストランで昼飯を食う。こちらへ来てから初の外食だ。ロイスの用意してくれるごはんのお世話になっている。

メニュー名からイメージができないものばかりだったので、ここは無難に分かりやすかったベジタブルパスタ(LE2200≒100)を注文。食べ物で冒険はしないたちだ。

食事中に軽く今後の予定を話し合い、「明日はあるNGOからうちの学校に視察にくるから、一日それに付き合わなくてはいけない。悪いけど明日も他の用事を済ませていてくれ」と言ってシャノーさんは帰って行った。よし、それなら明日もビーチサッカーだ。

ちなみに、ここの勘定のときにもウェイターが代金をごまかそうとし、シャノーさんが激怒という一幕があった。慣れた。

シャノーさんが「そろそろ帰ろう」と言う。午後1時をちょっと回ったところ。帰ると2時頃か。アルフレッドが学校から帰ってくる頃だ。今日にシャノーさんはいろいろとちょうどいい。

平日のビーチは先日(祝日だった)の日が嘘のように人気がなく、とても静かだし、風があって気持ちよかった。いい気分転換だ。

家に着くと同時にアルフレッドを探す。が、いない。ロイスに「アルフレッドは?」と聞くと、「あ、なんかタケシを待ってたけど、今日はタケシ体調悪いから他の子達と遊びなさいと言って遊びに行かせたわ」と言われた。台無しだ。いろいろと!

仕方ないので、またコーヒーを淹れて玄関先で涼む。相変わらず野良犬たちがそこらじゅうで寝転がっている。俺の足元にも一匹。

こいつはいつもここにいて、ときどきロイスたちに追い払われている。向こうの方で一匹、そしてもう少し手前にもう一匹、日陰にも入らずに寝転がって微動だにしない犬たちがいた。あいつら、あんなところで暑くないのかな。…と思ったら死んでいた。

近くにいたプリセッツァに「あいつら死んでんの?」と聞くと「うん」と事も無げに答える。「なんで?病気?」とさらに尋ねると、「あの犬(向こうの犬)は裏の家の犬で、昨日ここの家(ロイス家の向かいの家)の犬(手前の犬)に殺されたの。だからこの犬(手前の犬)は飼い主に殺されたの」と答えた。

どうやら野良犬の集団だと思っていた中には飼い犬も含まれていたらしい。どの犬も放し飼いだのようだ。この街で鎖に繋がれた犬を見たことがない。

そういえば昨日の深夜、けたたましく鳴く犬の声を聞いた気がする。あれはあの犬の断末魔だったのか。

そして今朝、向かいの家のおばさんが物陰に隠れるようにして
木の棒でガンガン叩いていたのはあの犬だったのか。

ここでは日本より、犬の命はさらに軽い。

アルフレッドが帰ってきたので、明日こそは必ずサッカーやろうと約束した。

晩飯。今日の飯には骨付きの鶏肉が入っていた。ロイスが用意してくれるごはんは魚料理中心だったので、「あ、ちょっと珍しい」と思いながら食べていると、アルフレッドが嬉しそうな顔で「その鶏、僕が絞めたんだ!」と言ってきた。

「へぇ、生きたまま買ってくるの?」と聞くと、「ううん、家の前にいっぱいいるでしょ?あれだよ!」と答えた。「…家の前ってそこのこと?」とさらに尋ねると「yeah!!」とものっすごい嬉しそう。

そうか、あのいつも発泡スチロール食ってる奴か。まぁ、たぶん大丈夫だ。だいたいもう食べてしまった。そいうことで、しっかり頂いた。

ここでは僕が思っているより命の扱いがいろいろとシンプルだ。