PEKINDEM

2008.09.29:フリータウン

2008.09.29:フリータウン

9月29日(月)。

朝早く目が覚めたので、とりあえず外に出てみた。

すでに何人かの近所の人が動き始めていて、目が合うと「ようこそアフリカへ」と言ってくる。あとはよく聞き取れない。部族か何かの言葉だろうか。

朝からシャノーさんの団体が運営する小学校を見学させてもらうことに。朝食を食べながらロイスと話していると、9時頃にシャノーさんが車でやってきた。今日は2つあるキャンパスのうちのひとつ、ゴッドリッチ・キャンパスにお邪魔する。

フリータウン中心部から、ゴッドリッチのある西端部へ移動する。車で20分走るとそれらしき建物というか、掘っ立て小屋みたいのが見えてきた。その前の20m四方のスペースには子供らがサッカーをしたりしながらはしゃいでいた。

車から降りると、一気に子供らに囲まれる。口々に「Hello, ma’am」と言いながら握手したり腕にしがみついたりして来る。シャノーさんに「髪の毛が長いから女の人と勘違いしたんだよ。気を悪くしないでね」と笑われた。シエラレオネの男性はあまり髪を伸ばさないらしく、長髪の男は珍しいそうだ。

シャノーさんはひとまず子供らを散らせ、ゴッドリッチ・キャンパスの先生達に僕を紹介してくれた。

男女それぞれ2人ずつの先生にあった。他にも2人先生がいるのだが、今は病気で休職中らしい。

あと調理担当の方が3人と警備員さんが1人いるそうだが会えなかった。そのあと子供らの前で軽く紹介してもらい、職員室兼ミーティングスペースで、僕の滞在中に何をするか話し合うことになった。

実は、手伝う気満々だった学校の引越しはすでに終わっていて、今のところ僕はやることないのにとりあえず来ちゃったみたいな形になっていた。

ミーティングスペースのベンチに腰掛けるとシャノーさんは「シエラレオネのほかの街を観光したり、その空き時間で子供らの体育の教科書を作ったりするのはどうだろうか?せっかくのシエラレオネに来たんだからホリデイだと思って楽しんでは?」みたいなことを言った。

教科書か、ちょっと面白そうだけど、体育に関する専門知識もないしなぁ。それなのにお遊び感覚で知識もないのに教科書っぽいものを作っては失礼じゃないだろうかと考えて断った。

そして、「僕にはこの分野(国際協力とかそんなの)に関して何の知識も経験もありません。僕に何ができるのかも分からない。でもここで経験したことをただ自分の糧にだけして終わらせたくない。シャノーさんや他の方々が割いてくれた労力の分だけでも今後お返しができるように、できる限り勉強したい」というようなことを伝えた。

シャノーさんは「じゃあ、この1ヶ月は君の知りたいことをできる限りの資料を用意して答えるし、君が今後どうすればいいかアイディアを出し合おう。それでも時間が余ったら、シエラレオネの他の街に観光に行こう。」と言ってくれた。

「なんでそんなに観光させたがるの?」と尋ねると、シャノーさんは「日本人はあまりアフリカに来ない。ここにいる東洋人のほとんどは中国人だ。君がわざわざ来てくれたことが嬉しいし、だからこそいろいろなものを見て楽しんでいってもらいたい」と答えた。

しかしわざわざ旅行に行かなくても、車が飛び跳ねるほどのでこぼこ道、僕を珍しそうにガン見してくる街の人、隣近所の人が家の中を自由に出入りするこのコミュニティの強く繋がってる感じなど、すべてが僕にとっては新鮮なものだ。

しかしあまり拒否するのも悪いので、「ではある程度目処が立ったらお言葉に甘えさせてもらいます」と答えた。

相談が終わると、僕がプレゼントとして持ってきたサッカーボールとソフトボールを子どもたちに渡した。さっそく嬉々として遊び始める子どもたちを見ながら、カナダからはるばる持って来てよかったと思った。

そのあとどうすればこの新しいサッカーボールとソフトボールが盗まれないか話し合う(夜に誰かが学校に忍び込んで盗んでいくらしい。これまでにベンチや机が盗まれた)シャノーさんと4人の先生たちを見ていると、そんなことそのときまで考えもしなかった自分と彼らのギャップのようなものを感じた。

じゃあ明日から本格的に見て回ろうということで家まで送ってもらう。家に帰るとロイスが出迎えてくれた。部屋に入ると知らない間に寝てしまった。慣れない環境で疲れたんだろう。

夜8時頃。ロイスのノックで目が覚める。「やべ、ご飯用意して待っててくれたら悪いな」と思ってドアを開けると、案の定ロイスが軽くキレている。

「なんで部屋から出てこないの?もっと話がしたいのに。ご飯も作って待ってるのに」みたいなことを言われ、

「ごめん、寝てたよ」と答えると、なんかふてくされていて、「まぁいいわ、部屋の掃除をするからちょっと外に出て。それから洗濯物あったら出しなさい」と言いながらほうきを持って入ってきた。嫁か。

掃除が終わると、ロイスはその辺に投げ捨ててあったであろう僕の服やパンツを鷲掴みにして出てきた。会って2日目の女の子にパンツ見られるとかちょっと恥ずかしい。